「小豆」は体を温める? むくみをとる?

お赤飯・お汁粉に欠かせない存在として、日常的食材ではなくともよく知られた存在の「小豆」。若い世代の方はわかりませんが、うちの父親くらいの年代(中高年w)だとおめでたい時・季節のイベント時の食べ物という“ハレの日感”があって、色や味よりもその存在が好きという方も多いそう。

また薬膳・健康食系がお好きな方であれば「食用にも薬用にも利用される素材」という印象がある方もいらっしゃるかもしれません。おばあちゃんの知恵袋(民間療法)でもむくみとり・疲労回復・二日酔い対策から母乳分泌まで色々な場面で“小豆”が登場しますね。特にむくみ・便秘・貧血・疲労感など女性に特に多い不調の緩和に役立つという話が多いことから、健康食材として利用されることもある小豆。むくみに良いイメージはあるけれど、じゃぁむくみと最早セットになりつつある「冷え」とりについてはどうなのかを調べてみました。
 

小豆ってそもそも何者?

小豆=やや細長い形状の暗赤紫色をした豆、お赤飯に入っているorアンコの原料、など日本人の多くが何らかのイメージを浮かべられる存在だと思います。その名前から大豆の仲間のようなイメージもありますが、大豆はマメ科ダイズ属、小豆はマメ科ササゲ属で、大豆よりも春雨の原料として使われるリョクトウ(緑豆)に近い種です。

後漢時代頃(約1800年前)に成立したと言われる中国最古の薬物書『神農本草経』では中品に分類され「水を下し癰腫や膿血を排する」と記述されているそうです。ちなみに生薬としては「赤小豆(セキショウズ)」と呼びます。似た名前を持つ生薬に小豆蔲(ショウズク)がありますが、こちらはカルダモンのことなのだとか。

日本に伝来したのは3世紀頃と考えられていますが、それよりも古い時代に既に栽培や利用が行われていたとする説もありハッキリ分かっていません。しかし3世紀以降、中国から薬用としての利用方法が伝わって以後しばらくは食材としてよりも「薬(生薬)」という認識が高かったのではないかと思われます。
また当時は赤色=太陽や血液に通じる“命”の象徴と考えられており、邪気を払う・魔除けなど宗教的な意味合いでも大切にされました。現在でも小正月の「豆粥」や「赤飯」に小豆が使われているのはこの名残のようです。
 

小豆と冷え性・むくみの関係

小豆はタンパク質が豊富なほか、ビタミンB群やカリウム、カルシウム、鉄分などのミネラルが含まれています。そのほかに食物繊維、フィトステロール(植物ステロール)、ポリフェノールの一種フラボノイドなども含むことから様々な健康メリットが期待されている食材ですが、冷え性改善に関係しそうな部分を重点的に紹介します。


【むくみ・便秘解消・デトックス】
小豆は古くから民間療法で「むくみ解消・利尿剤」として用いられてきた歴史があります。余談ですがウチの祖母もむくんだ時にあずきの煮汁を飲むと良いんだよと言っていたことを覚えています(若かったせいか、不味いという記憶が強いんですが^^;)

漢方的な見解は下記に別途記載しますが、栄養成分的に見ても小豆は乾燥100g中のカリウム含有量が1,500mgと圧倒的に高いという特料があります。カリウムは体内のナトリウム濃度を調節することでナトリウムが溜め込んた余分な水分を排泄する=水分バランスを調整する働きが認められている成分です。加えて同様に利尿作用を持つ配糖体の一種「サポニン」も小豆には含まれていることから、カリウムとサポニンの相乗効果によって水分排泄を促しむくみの改善に高い効果を発揮すると考えられています。

小豆はむくみだけではなく、便秘の改善に役立つ食材とも言われています。乾燥100gあたり17.8g、茹で100gあたり3.4gと比較的多く食物繊維を含むことに加え、サポニンの界面活性作用(乳化剤のような働き)によって便の硬さを調整し排便をスムーズにすると考えられるためです。不溶性食物繊維は腸内の老廃物を絡め取る役割もありますから、デトックスにも繋がります。

※小豆の食物繊維は大半が不溶性食物繊維ですから、下痢をしやすい方やお腹が張りやすい方の場合は煮汁をメインに飲み、豆部分は食べ過ぎないようにすると良いでしょう。

【貧血・ドロドロ血液の改善など】
小豆には鉄分・葉酸・タンパク質が豊富に含まれていることから、貧血の予防・改善や妊娠中の栄養補給源としても利用されています。またサポニンやポリフェノールなど血液サラサラ効果が期待できる成分も含んでいますから、血行不良の改善や母乳の出が悪いとき・乳腺炎予防などとしても取り入れられているそうです。一件関係なさそうに思えますが、便秘の改善やデトックスも血液状態の改善に役立ちます。

血液補充・血液循環が改善されることで冷え性の改善効果が期待できますし、余分な水分を排泄させることで血液が運んできた“熱”がきちんと行き渡るとも考えられます。

 

漢方・生薬としての考え方


漢方において体のバランスや不調の原因は【気】【血】【水】という3つのタイプの巡りの不順から起こると考えられています。厳密に見るともう少し複雑なのですが、ざっくりとした考え方では気は目に見えないエネルギー(間の生命活動を維持する力)のこととされ、西洋医学寄りの見解では自律神経や神経伝達などとも解説されています。血はそのまま血液循環、水は水分代謝のことです。

生薬としての小豆(ショウズク)は「利水薬」に分類されます。水=水分代謝を良くする薬ということで、余分な水分の排泄を促すだけではなく必要な部分に水分を補給するという役割も担っていると考えられています。つまり利尿(水分を排出させる)と利水(水分バランスを整える)は異なった働きを持っているということ。利尿薬の利用は限られていますが、利水薬とされるものは熱中症予防や、浮腫んでいるのに口(喉)が渇く場合などにも活用されています。

これらのことから、“必要以上に水分排出を促した結果、体の熱を排泄しすぎる”という心配は低いと考えられます。一時的に水分の排泄に伴って体内の熱は排出されますが、溜まっている水分に体温が奪われ続ける状態を考えると、冷え性の改善にも悪影響は少ないと言えそうです。
ただし、ある程度の解熱効果も考えられることから生薬としての赤小豆は平〜微寒性に分類されています。元々低体温の方や、体を冷やすというワードが気になる方は温かい状態で、生姜やシナモンパウダーを少量振り掛けるなどすると良いかもしれません。
 

| 2016年04月16日 | 体温アップ食材 | trackbacks(0) |

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