大根は体を冷やす? さっぱり食べたいけど、どうなのよ...

さっぱり美味しい大根おろし。冬場はお鍋の定番ですが、暑い時期には和えた物をさっぱりさせてくれる心強い味方でもあると思うわけです。個人的にはおろし+梅たたきを入れた盛蕎麦やお素麺が大好きですし、大葉+おろしも外せない…とサッパリ系に行きたい時に食べたいものランキングには間違いなく入る存在。

 

そんなさっぱり美味しい大根おろしですが、大根というと「体を冷やすから冷え性には不向き」な食材として扱われることも多い存在。かと思えば代謝アップでダイエットに良い、なんて話もあったり。代謝が良くなるなら冷え性にも良さそうなのに何故と疑問に思いながら、調べたことと思ったことをツラツラと書いてみました。

大根とは? 植物・歴史紹介

加熱するとクセのない風味になり、何にでも合う大根。生のときはピリッとした辛味がありますが、辛すぎなければそれも良いアクセントになります。薬味から漬物・煮物まで何でもございで、世界で最も大根を生産・消費する国と言われる日本。好き嫌いはさておき、日本人ならば大抵が味や食感をすぐにイメージできる野菜ではないでしょうか。

 

そんな身近な大根ですが、何科植物かと聞かれたらちょっと戸惑う(私だけ?)。正解はアブラナ科ダイコン属という分類になっているそうで、食べている部分は根と思いきや根と胚軸との中間的な部分だとか。イメージ通りカブとは同科植物ですが、よくセットで扱われるニンジンはセリ科なので円錐形の形が似ているだけで別物ですね。

 

大根とカブは仲間のように思えますが、カブよりも近い食材がラディッシュラディッシュと言うとオシャレな外国産野菜っぽく感じるものの、二十日大根など小さい大根の総称がラディッシュなんです。私は二十歳を過ぎるまでラディッシュはカブの仲間だと信じてましたが><;

 

ヨーロッパでを筆頭にユーラシア大陸西側ではラディッシュが、日本や中国など東アジアは大根と分かれているとも言われています。日本では大根基準にラデッシュを小型の大根・二十日大根と表現しますが、欧米では扱いが別でradishを基準に呼び名が付けられています。日本の大根であればJapanese radishと言うそう。最近は和食ブームの関係もあり、そのままDaikonでも通じるらしいですけどね。

この違いは大根やラデッシュの祖先が、地中海地方から中東にかけてのエリアにあったと考えられていることに始まります(※諸説あります)。この原産地を挟んで西に伝わったものはラディッシュ群東に伝わったものはダイコン群へと、それぞれに変化していったのでは無いかと言われています。ちなみに分類上でも基本変種がラデッシュ(学名:Raphanus sativus var. sativus)とされており、日本の大根(学名:Raphanus sativus var. longipinnatus)がその変種という扱いだそう。世界的にはラデッシュの方がポピュラーでもありますし、原種にも近いようです。

 

大根が古くから食用されることを伝える逸話に“ピラミッド建設時に労働者に配られた”という話がありますが、古代エジプトで食べられていたのは原種に近いもの…ラディッシュや黒大根系のものだったと考えられています。この逸話を聞いた時に私の頭の中のイメージでは青首大根をバリバリ齧る古代エジプト人が浮かんだんですが(苦笑)そういう感じではないみたいですね。

 

日本に大根が伝わったのは古く、弥生時代頃と推測されています。奈良から平安時代になると万葉集や古事記などの文献にも記録が見られるようになり、平安中期の『和名類聚抄』には「於保禰(おほね)」として表記されています。当時は「古保禰(こほね)」と呼ばれるハマダイコン系のものも栽培されており、根が太く立派=大きい根(big root)という意味での「おほね(おおね)」だったと言われています。これが変化して、江戸時代ころには現在私達が呼んでいる“大根”という呼び名になりました。

 

地域によって違いはあるかと思いますが、私が「大根」と聞いてイメージするのは頭がうっすら緑がかった青首大根。…なんですが、こちらが主流になったのは1970年代以降と比較的最近のこと。青首大根そのものはもっと昔からありましたが、江戸周辺で栽培されていた大根は白首大根だったそうです。言われてみれば各地の伝統野菜としてブランド化されている大根は白首大根系が多いですね。北海道と東京にしかいないので馴染みがないためか、紅大根系の大根には変な憧れがあります。

大根=消化に良い食材?

主力品種こそ変われど古くから日本人に親しまれてきた大根。食材としてはもちろんですが喉の痛みや咳止めからニキビのケアまで、おばあちゃんの知恵袋的使い方(民間療法)の中でもお馴染みの存在。風邪をひいた時に、お腹を壊した時に、何らかの形で大根を食べさせられた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そんな大根の活用幅の広さは伝統的な効果だけではなく、含まれている成分が有効性を持つ可能性も報告されています。そのため現在でも消化酵素を多く含む野菜として、オウチ薬膳の本などでは「食べる消化剤」として掲載されていたりしますね。消化“が”良い食材ではなく、消化“に”良い食材という扱いなのがポイント。

 

大根に含まれている消化酵素としてはデンプンを分解してくれるアミラーゼ(ジアスターゼ)がよく紹介されます。このジアスターゼが胃腸の働きを助けてくれることで、消化機能低下によって起こる胃のムカムカ感・胃もたれ・消化不良などの軽減に良いというわけですね。またジアスターゼ以外にもタンパク質分解酵素のプロテアーゼ・脂質の消化を助けるリパーゼが含まれているとも言われており、糖質に限らず消化吸収を良くしてくれると考えられています。

 

また、大根の成分として外せないのがアリルイソチオシアネート(アリルカラシ油)アリルイソチオシアネートはワサビやタマネギなどにも含まれている辛味成分で、涙が出る原因物質としても知られています。と言うと好ましくない存在のように感じますが、アリルイソチオシアネートに様々な働きを持つ可能性が報告されており、唾液の分泌を促すことで食欲を高める・消化を促すなどの働きも報告されています。消化酵素の働きと合わせて、夏バテ対策や消化機能低下が気になる時に役立ってくれそうですね。

 

加えてアリルイソチオシアネートには優れた殺菌・抗菌性も認められています。薬味や刺身のツマとして使われることが多いのも、食中毒予防の意味合いが合ったのかも知れませんね。役者を「大根役者」と呼んだり、野球の打者を「大根バッター」と呼んだりと…大根が付くと下手くそというイメージになります。しかしこれも大根が消化に良い⇒食べてもあたらない、から引っ掛けて言われるようになったんだとか。大根が付けられると良くない印象にはなってしまうものの、大根そのものは優れた食材であることが認められていたようにも感じられます。

大根は体を冷やす根菜なのか?

大根は食欲増進から消化まで“食べる・消化する”という一連の流れをトータルでサポートしてくれる食材と考えられている存在ってことです。しかもアリルイソチオシアネートの働きで食中毒予防にも繋がるので一石二鳥……なのですが、消化に良いということと合わせて高確率で紹介されているのが「ただし体を冷やすから胃腸が弱い人は食べ過ぎに注意」「特に生で食べるのはNG」というような注意項目

 

でも酵素って熱に弱いから、加熱したらただ消化が良いだけの食材じゃ……と常々思っていたりします、ハイ。アリルイソチオシアネートも大根にポロンと含まれているわけではなく、細胞が壊されることでシニグリンという配糖体がミロシナーゼという酵素と反応して出来るのです。ミロシナーゼも熱に弱い酵素なので、加熱すると「辛みはない代わりにアリルイソチオシアネートも出来ないよ」って言われていたはずです。

 

もちろんおでんとかお味噌汁の具とか加熱したものも普通に美味しいですが、消化サポートや後記のダイエット・老化予防などの働きを期待するのであれば大根は“生”で食べたいもの。生っていうだけではなく、アリルイソチオシアネートが沢山生成される“おろし”をひたすら食えという声もあるほど。今時期のサッパリ系レシピとしても、やっぱり大根おろしや大根サラダなど生食系に行きたいですよね。

 

大根が体を冷やすから注意するべき食材とされるのは、東洋医学や薬膳などで“体を冷やす食材(陰性・涼性)”とされているためです。この食品の分類としては大雑把に「地中に出来るもの(根菜類)は体を温める」と紹介されることもありますが、大根やゴボウは例外なんだって。

 

出ましたね、イマイチ根拠がハッキリしないやつ(笑)

 

気になって大根が身体を冷やす原因をネットで検索してみたんですが、私が調べた限り「大根は体を冷やすから注意」とか「加熱して食べろ」とかは出てくるものの明確な理由は書かれていませんでした。冬野菜で地中に埋まっているはずなのに………淡色野菜だからなのか、水分量が多いからなのか。。ちなみにカロリーあたりで見ると大根はカリウムが比較的多いものの、100gあたりの含有量で見るとそう多くありません。

 

そして大根に関する更なる謎。

 

一般的に「土の上に出来る野菜は体を冷やす」と言われていますが、大根の“葉”については体を温める食材とする見解もあります。土の下にある根(大根)は体を冷やして、地上にある大根の葉は体を温める…なんじゃそりゃ。葉は確かに緑黄色野菜で栄養が豊富ですが、小松菜など緑色の野菜も身体を冷やすとか言われてなかった?と。

正解かは分かりませんが、大根が体を冷やすと言われるのは水分量が多いことが大きいのではないかと思います。生での多食は厳禁だけど、加熱して食べれば問題ないと表記されている文献やサイトさんも多いので。冷え性さんは大根は生で食べないでね、という意見も多いんですが……大根の栄養成分(酵素類)の関係上、加熱させたり発酵させたりは望ましくないと思うわけです。というのも消化に優しい酵素類は置いておくとして、アリルイソチオシアネートは代謝を活発にしてくれる可能性もあるから。某女芸人さんがダイエットで取り入れて話題になったやつですね。

 

代謝が良くなることで痩せやすい体質作りに繋がるのは勿論ですが、基礎体温アップや冷え性対策としてもメリットはあると思われます。また涼性=身体にこもった余分な熱を取り除く働きが期待できるという食材ですし、停滞している気を通すという説もあるので適量なら夏バテ対策にはピッタリな気がします。エアコンで体を冷やすくらいなら、大根おろしを食べて清涼感を味わった方が健康的であることは間違いない(はず)。

 

冬場に寒いお家で過ごしているならともかく、身体に熱がこもりやすい夏場・エアコンや暖房でぬくぬくしているタイミングであれば、大根を生で食べても良いんじゃないでしょうか。もちろん食べ過ぎは控えるべきでしょうが、冷やすからダメダメと避けるほどのデメリットはないと思うんだ…。

肥満予防や風邪予防にも大根は活躍する?

肥満予防・ダイエット

冷え性改善に繋がる働きとして触れましたが、大根に含まれているアリルイソチオシアネートは代謝機能を活発化することで脂肪蓄積予防・脂肪燃焼促進効果が期待されている成分でもあります。冷え性軽減と言うよりはダイエットサポート食材(成分)として紹介されることのほうが圧倒的に多いですね。身体を冷やすと言われる原因の一つでもありますが大根は水分量が多く100gあたり18kcalと低カロリーな食材ですから、カロリーを気にせず食べられるのもダイエット中には嬉しい所です。

 

またアリルイソチオシアネートは大根に含まれている初期状態ではグルコシノレート(芥子油配糖体)という形を取っていますが、このグルコシノレートも肝臓の機能を助ける=デトックス効果があると言われています。肝臓機能が高まることで体内の有害物質・老廃物の無毒化や排出がスムーズに行なわれるようになることからも、代謝向上効果が期待できますね。生で食べた場合にはビタミンCとアリルイソチオシアネートの補給から抗酸化にも繋がりますから、血流保持や代謝低下予防という面でも肥満予防をサポートしてくれると考えられます。

免疫力保持・風邪予防

アリルイソチオシアネートは食中毒予防に良いとも言われるように、優れた抗菌作用を持つ物質。この働きは食あたりの予防だけではなく風邪予防にも繋がる可能性がありますし、白血球を活性化して体が持つ殺菌能力を高める働きがあるという説もあります。抗酸化作用も免疫力低下を予防する一助となってくれそうですよね。ビタミンCも白血球機能の促進など免疫力向上に関わる働きが期待されています。

 

このため生大根を食べる=アリルイソチオシアネート+ビタミンCの複合効果で免疫力保持や風邪予防にも繋がると考えられます。ビタミンCもアリルイソチオシアネートもしっかり補給するなら“生”なので、こちらも加熱ないで食べたほうが効果が期待できます。胃腸の働きを助けてくれる食材でもあるので体力をつけたい時・風邪気味でお腹の調子が良くない時にも役立ってくれるでしょう。

アンチエイジングにも期待

大根の健康成分として注目されているアリルイソチオシアネート。様々な働きが期待され話題になっていますが、高い抗酸化作用を持つ成分でもあります。動脈硬化などの予防に役立つとか、がん予防に良いのではないかと言われるのも、イソチオシアネートの抗酸化作用による所が大きいのだとか。血中脂質の酸化抑制から血流改善に繋がる可能性もありますし、お肌の酸化=シミやシワなどの予防としても期待されていますよ。

 

大根はビタミン・ミネラルなどの必須栄養素が多い食材ではありません。比較的ビタミンCとカリウムが多いかなという程度。なので抗酸化ビタミン類を一気に摂取! とか、これを食べておけば不足しがちな〇〇の補給完了、みたなことは無いです。……が大根は味にクセがなく、いろいろな食材と組み合わせやすい食材。緑黄色野菜やサバ缶などと組み合わせて食べることで、多方面からの抗酸化(アンチエイジング)をサポートしてくれるかも知れません^^

参照:大根の栄養成分・効果 

 

折角だから、大根の葉も食べよう

大根はビタミンやミネラルは多い野菜ではない……んですが、それは白い“根”の部分の話。大根の葉については野菜類の中でもトップクラスに入ると言えるほど栄養豊富で、超優秀食材と言えます。感覚としてはカブと似ていますね。

 

大根の葉は緑黄色野菜に含められるようにβ-カロテンが非常に多く含まれており、ビタミンC・ビタミンE含有量も大根の根部分よりもかなり多いのが特徴。抗酸化ビタミン類の補給という意味では間違いなく“葉”の方に軍配が上がります。加えて女性に不足しがちなカルシウムや鉄分などのミネラルも多く含まれていますので、栄養補給源として大活躍してくれる食材と言えます♪ ちょっと硬いので苦手な方もいますが、ふりかけなどにすると食べやすいですよ。

 

また上の方でも触れましたが、大根の葉は体を温める(温性)に分類される食材でもあります。「体を冷やす」というワードが気になって仕方ないわぁ…という方でも取り入れやすいですし、よりデリケートな妊娠中の栄養補給としても注目されています。大根だけを食べるよりは葉と組み合わせて食べたほうが良いという声もあるそう。

 

生の大根・大根おろしを食べる時は、しょうがドレッシングや唐辛子を使ったピリ辛(キムチ風?)ドレッシングなど身体を温めてくれる食材と組み合わせて食べるのもおすすめ。すっごい無精レシピで恐縮ですが、大根サラダにキムチ鍋のつゆをかけると美味しいですよw

 

もちろん何事も食べ過ぎは厳禁ですし、某TVのダイエットみたいに生大根をひたすらムシャムシャするのも(特に冷え性の方には)おすすめできませんが。適量であれば夏バテ対策や冷え対策として取り入れても問題ない食材なのではないかと思います。私が食べたいんで言い訳がましくなった気も…。

| 2018年12月09日 | 体温アップ食材 | trackbacks(0) |

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