昔は万能薬?! セージが冷え対策や風邪予防に役立つらしい

皆様、ご自宅で料理をされる際にセージって使ってますか?

イメージではローズマリーと並ぶ抗酸化力・古代ローマの万能薬など華々しい紹介の言葉が並ぶ割に、私の中では地味目のハーブという印象があったりします。ミックススパイス・〇〇シーズニングや、市販のブレンドティーなどに入っているのだけれど、メインにならない子というか……。

 

そんなセージですが、ハーブティーを調べていたら冷え性から女性トラブルからアンチエイジングまでと、まさに“万能”な効果が期待できるような紹介を多く見かけます。よく分からないで肉を焼く時にまぶして口の中がゴワゴワになった黒歴史もあるので、ハーブティーにして飲めて健康メリットがあるなら良いんじゃないかしらと。

 

セージとは?

お肉の香草焼きやバターソースなどに使われる緑色のハーブ、セージ。西洋版のヨモギとも表現される青々しい香りが特徴的で、動物性食品と相性が良いスパイスとされていますが、特に肉料理に使われることが多いのではないでしょうか。フレンチからイタリアン・ドイツなど、ヨーロッパ系の料理ではかなり多用されているスパイスの一つだと思います。家で料理をする時にセージを使わないという方でも何らかの加工品で口にしたことのある方は多いそう。

 

園芸用・家庭菜園用としても販売されるのでご存知の方もいらっしゃるでしょうが、セージはシソ科に分類される植物。広義での“セージ”であれば、シソ科のいちアキギリ属に属す植物全体の総称とされています。サクランボのような匂いのするチェリーセージや濃い紫色の花をつけるラベンダーセージなど種類は様々で、観賞用として栽培されているものも多いそう。浄化ハーブとして知られるホワイトセージや、芳香用に使われるクラリーセージなども有名ですね。

 

非常に数の多いセージですが、ハーブやスパイスとして単に「セージ」とだけ言った場合はヤクヨウサルビア(学名Salvia officinalis)を指すのが一般的と言われています。薬用サルビアと言われていますが、普段料理用として使われているのもこちらの品種です。英名ではコモンセージもしくはガーデンセージと呼んで区別することもあります。下記ではこのコモンセージを「セージ」としてご紹介させて頂きます。

セージの原産地は地中海沿岸地域と考えられています。学名(種子名)にofficinalis=薬用が使われているように、原産地付近で栄えた古代エジプトや古代ギリシア・ローマなどでは既に薬用として利用されていたことが分かっています。諸説ありますが、属名のSalviaも「治療」を意味するラテン語salvareが語源とされています。古代ギリシアでは止血用に用いられていたと伝えられていますし、ギリシアの哲学者テオプラストスが記した『植物誌』にもセージが登場しているそう。

 

また古代ローマの大プリニウスが記した『博物誌』にも麻酔作用や利尿作用がある植物として記載されており、ローマ人兵士も傷の手当や毒消しなどに用いていたと伝えられています。そのほか古代ローマではセージに長寿効果がある・免疫機能を助ける薬草であるとも考えられていたとも言われています。用途の幅広さから「セージはどんな人にも役立つハーブ」と万能薬のように考えられており、ローマ帝国軍の行軍によってヨーロッパ全域へとセージの分布圏が広がったという説もありますよ。

 

こうした健康効果や寒い中でも育つことなどから、ヨーロッパでセージは長寿や不老不死の象徴としても愛されていたそう。持ち歩いたり植えたりすると金運がアップする・願いが叶うなどの伝承もあったのだとか。花言葉も“幸福な家庭”とセージをかなり好意的に捉えていたことがうかがえるものとなっています。また花の美しさや香りの良さと合わせて、中世頃に多く作られた薬用植物園作りなどでも重要な植物として扱われていたと言われています。

 

ヨーロッパでは古くから多用されてきたセージですが、東アジアでは歴史の浅いハーブと言えます。日本に伝わったのは明治頃とされていますし、大陸が繋がっている中国でも中世〜近世にかけて希少な高級品とされていたそう。17世紀の中国では大箱に3箱の中国茶とセージの葉一枚を交換する…なんて事もあったと言われています。茶取引に関しては色々薄ら暗いものがあるので額面通りに受け取っていいかはさておき、その対価でも良いと思われるくらい薬効高いものだと思われていた可能性もありますね。

 

セージは抗酸化ハーブの1つ

セージは

  • イギリス「長生きしたいなら5月にセージを食べなさい」
  • アラビア「庭にセージを植えているものが、どうして死ぬことができるのか」

という言葉が残っていると言われるように、古くから長寿をサポートしてくれるハーブとして愛されてきた存在でもあります。今となっては何らかのハーブや生薬を摂取して“不老長寿”を得られると信じている方こそいませんが(苦笑)それでも健康増進や長寿サポートに役立つのではないかと考えられ、研究も進められているハーブと言えます。

 

成分的な分析でもセージはフラボノイド系ポリフェノールやタンニンなどの抗酸化物質を多く含むことが認められており、ローズマリーと並んで“スパイス類の中で際立って高い抗酸化作用を持つ”存在として注目されています。また、かつてはデザイナーフーズ計画のピラミッドで3群に属すハーブとして紹介されたこともありました。現在デザイナーフーズ計画は無くなっていますが、これも抗酸化力の高さから選ばれていたと言われています。

 

昔の人々はセージに含まれている成分が何かと分離や解析が出来たわけでは無いでしょうが、経験的に若々しさや健康保持をサポートしてくれることが知られていたのかも知れませんね。

 

生活習慣病予防に役立つ可能性がある

個人的には抗酸化物質の補給は身体の若々しさを保持する=アンチエイジングというイメージが強かったりしますが…酸化を抑制することは健康を維持するためにも重要だと考えられています。身近なところでは血管壁内に入り込んだ悪玉(LDL)コレステロールが酸化し、酸化LDLを取り込んだマクロファージが泡沫細胞に変化して蓄積することで起こる動脈硬化や血栓があります。動脈硬化の危険因子として喫煙やストレス・加齢などが挙げられているのも、活性酸素が増加しやすい=酸化LDLを作りやすいためだとか。

 

このため活性酸素の過剰増加を抑えてくれる抗酸化物質を補給することは、動脈硬化などの予防にも繋がると考えられています。血管を健康な状態に整えてくれることで高血圧予防にも繋がります。加えてセージに含まれているロスマリン酸には血糖値上昇を抑制したり、インスリン感受性を改善する可能性があることも報告されています。糖尿病合併症と活性酸素(酸化)も関わりがありますから、セージは生活習慣病のリスク低減に役立つハーブと考えられています。

 

免疫力保持やアレルギー軽減にも期待

活性酸素の増加を抑えることは、体内の正常な細胞や組織を守り免疫力低下を予防することにも繋がると考えられています。逆に免疫力が低下すると活性酸素が増える・活性酸素が免疫機能としての役割を果たしているという説もあるので必ずしも活性酸素が悪者というわけではありませんが、酸化力が高すぎると免疫機能が乱れるという見解が主流となっています。セージは抗酸化力が高いハーブ(スパイス)の1つとされていますし、カルバクロールなど高い抗菌・抗ウィルス作用を持つ成分が多く含まれています。このため免疫力保持や風邪予防に取り入れられています。

 

またセージに含まれているフラボノイドの1つ、ルテオリンは「フラボノイドの中で最も強い抗アレルギー・抗炎症作用を持つ」と紹介されることもある成分。炎症を引き起こすロイコトリエンの産生を阻害する可能性が示唆されており、花粉症抑制効果が見られたという報告もなされています。加えてセージにはローズマリーなどに含まれているロスマリン酸も含まれています。ロスマリン酸も抗炎症作用を持つとされているほか、ヒスタミンの遊離放出抑制効果が報告されていることから抗アレルギー成分として注目されている存在です。

 

こうした抗アレルギー作用が期待できる成分を含むこと+高い抗酸化作用を持つことからセージは花粉症やアレルギー性鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎など様々なアレルギーの軽減効果も期待されています。抗酸化作用は免疫機能が乱れてしまうことを予防するだけではなく、炎症を起こした所に活性酸素が発生する⇒そのせいで炎症が悪化するという悪循環を起こしにくくしてくれるという説もありますよ。

 

冷え性対策にも役立つ?

セージやセージティーは冷え性軽減に役立つスパイス・ハーブティーとする説があります。これはセージに末梢血管を拡張することで血行を促す働きがあるためと言われていますが、セージがなぜ血行を促すのかという理由について細かく解説してくれている文献・サイトなどはほとんどありません。そこで独学ではありますが、含まれている成分から本当に血流サポートや冷え改善に役立つのかを考えてみたいと思います。

 

まず上記でもご紹介したルテオリンやロズマリン酸などの抗酸化物質。

抗酸化作用は血行を“促す”ものではありませんが、血中脂質の酸化を抑制することで血管や血液の状態を整え、スムーズに血液循環が行える状態を作る手助けをしてくれる可能性があります。またロズマリン酸は脳の酸化ストレスを軽減する・神経伝達物質の分泌を助ける働きを持つ可能性が示唆されていますので、自律神経の乱れを予防する手助けをしてくれるかも知れません。

 

肝心の血行促進については、精油成分のカンファーやボルネオールには心臓の強壮作用や血行促進作用があるという説があります。ただしハッキリと認められた働きではないようなので、可能性があるという段階だそう。栄養成分として見るとナイアシンの含有量が高いとも言われていますが、そう大量に食べるものでもありませんから除外して考えた方が良いと思われます。

 

うーん……微妙。。

成分についても細かい記載がされていないものが多いので断定はできませんが、生姜のショウガオールとか、唐辛子のカプサイシン的な働きを持つ成分は含まれていないと考えたほうが良さそうですね。セージが血行促進作用を持つというのは伝統療法・民間薬としての効能によるところが大きいようです。

 

低血圧や疲労回復などに良いとされるのも根底には血行促進が期待できるということがあるそうですし、経験的に使用されてきたものなので何らかの働きかけを持つ可能性はあると思います。が、効果が認められた薬(医薬品)ではないので「手助けしてくれたら良いなぁ」くらいのレベルで考えるのが無難そうです。

生理痛ほか女性の不調にも期待…

セージは聖地痛や月経不順・無月経など女性の月のトラブルに対しての働きかけがあるハーブとして利用されています。当社比(笑)になりますが、ブレンドティーでも冷えとり系よりウーマンサポート系のお茶に入っていることのほうが多いように思います。

 

セージが女性特有の不調に良いとされる理由は大きく二つ。

一つは血行促進作用があり、子宮周りを温めることで冷えによる生理痛の悪化・子宮機能低下を予防して月経リズムを正常に保つ働きがあると考えられること。もう一つは女性ホルモン(エストロゲン)に似た分子構造をしているツジョン(Thujone/ツヨンとも)という成分を含んでいること。ツジョンの働きからより直接的に更年期障害や月経不順などの改善に効果が期待されていますが、一方で妊娠中の使用は禁忌とされています。

 

更年期障害に関しては、タンニンによる収斂作用が期待できることから多汗を抑えるのにも良いと言われています。エストロゲン様作用と合わせて更年期の火照り・のぼせ・ホットフラッシュ対策としてセージが使われることもあるそうですよ。

 

そのほかセージに期待される5つの働き

1.リフレッシュ・ストレス軽減

ヨモギに似ていると表現される、セージのほろ苦さを含んだグリーンな香りはリフレッシュ効果があると考えられています。セージにはツジョン、カンファー、1,8-シネオール、リナロールなど様々な精油成分が含まれています。爽やかな香りは頭をすっきりさせたい時のリフレッシュにも役立つと言われていますし、神経のバランスを整える働きを持つとする説もあります。

 

アロマテラピーなどでは抗不安・抗鬱作用や刺激作用を持つオイルとして、漢方では神経強壮薬として用いられることもあるようです。食用(飲用)で利用する場合は血行促進作用+ロスマリン酸などの抗酸化物質補給から、脳への血流量を増やして脳疲労軽減・機能向上に良いとする説もあります。神経疲労の緩和にも取り入れられているハーブなので、ストレスが多いと感じている時のサポートにも役立ってくれるかも知れませんね。

 

2.胃腸機能のサポートに

セージは伝統的に胃腸の働きをサポートするハーブとして利用されてきた植物でもあります。こちらも血行促進作用によってお腹を温める・胃腸の働きを高めるとされているほか、抗菌・抗ウィルス作用を持つ成分が含まれていること、タンニンによる収斂・抗痙攣作用からお腹の痛みを緩和するなどの働きも期待されています。ストレスを和らげてくれる働きもあるため精神面に起因する腹痛や下痢の予防にも繋がりそうですね。ハーブ療法などではお腹のハリの軽減にも良いと言われているそう。

 

3.脳機能・記憶力アップ

有効性に関してのデータ不足などもあり信憑性については未だ民間療法の域を出ないとは言われていますが、セージは脳機能向上や集中力アップにも役立つのではないかという説があります。これはセージに含まれているロスマリン酸に脳機能の保持に係る働きがいくつか報告されていることが大きいようです。ロスマリン酸は優れた抗酸化作用によって脳の酸化ダメージを抑える以外に、脳内にある神経伝達物質の減少を抑制する働き・アルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられるアミロイドベータなどの蓄積を抑制する働きを持つ可能性が報告されています。

 

またルテオリンにも動物実験では認知力・記憶力の向上が見られたという報告がなされており、精油成分のシネオールやカンファーにも集中力を高める働きが期待されています。余談ですがアロマテラピーでもコモンセージの精油は記憶力・集中力をサポートしてくれる香りとして利用されています。こうした成分を含むことからセージは脳の健康を維持したり、記憶力を高めたい時のサポートとしても期待されています。

 

4.体臭・加齢臭対策

セージは抗菌・抗ウィルス作用を持つ成分と抗酸化物質を多く含むハーブ。タンニンの収斂作用によって汗を抑える働きと合わせてて、体臭対策に役立つ可能性もあります。体臭がキツくなる原因は様々なので一概には言えませんが、汗が多いことや皮膚で繁殖する菌類の関与が関係している場合が多いと言われています。また加齢臭も過酸化脂質の増加が原因の一つとして考えられていますから、抗酸化物質と抗菌成分を含むセージが体臭軽減に良いと言われているようです。

参考:コモンセージティー・精油

 

5.入浴に使って冷え改善&美肌に

セージは抗菌・収斂・抗炎症・血行促進などの働きから肌のケアに役立つと考えられており、セージエキス(セージ葉抽出物)は市販の化粧品にも配合されています。セージ精油は皮膚刺激が強いため皮膚使用を避けた方が良い精油とされていますが、ドライハーブを使って手作りコスメを作る方もいらっしゃるそうです。

 

手作りローションやクリームは材料を揃えたり衛生面に気を遣ったり何かと大変ですが、もっと手軽な方法としてバスハーブとしてセージを利用する事もできます。入浴剤として利用することでお風呂の効果と相乗して血行促進効果が期待できますし、香りによるリフレッシュ・ストレス軽減も期待できますよ。抗菌作用があるので湯気を吸うことで風邪予防にも繋がりますし、抗菌・抗真菌作用からニキビ予防や水虫予防にも役立ってくれるかも。

 

ただし精油ほどではないものの皮膚を刺激する場合があるので、特に初めて使用する際には注意が必要です。比較的皮膚の厚い部分でもあるので、手浴・足浴用として使ってみるのが個人的にはオススメ。これからの時期は足浴でムレ臭・水虫予防にもなってくれないかなーと思ったりw

 

血行促進についてはちょっぴり謎が残りますが、様々なメリットが期待されているセージ。勿論料理用スパイスとしても優秀なので、キッチンに加えてみては如何でしょうか。料理用・ハーブティー用・お風呂用と3つに使いまわし出来ますよ(笑)ただ作用が強めなので妊娠中・授乳中の方や、持病・疾患のある方は自己判断で使わないように気をつけて下さい。

 


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