里芋を食べて気持ちも身体もほっこり温めよう

個人的に、寒い時期になると食べたくなるのが里芋。北海道という里芋文化がない地域出身なので馴染みは薄いのですが、あのモッチリねっとりした食感はたまらないし、ちょっと懐かしいw 食べるとどことなく「ほっこり感」がある里芋は冬場の健康維持・冷え対策レシピによく使われる食材でもあります。

 

里芋(サトイモ)について紹介

お正月にも使われる筑前煮(がめ煮)を筆頭に、イカの煮物やおでんなど“煮る”系の和食で定番の里芋。最近は里芋を使ったポテトサラダやコロッケ・グラタンなどのレシピも紹介されていて、意外と使い勝手の広い野菜でもあると思います。私は輪切りにしたものをバターで焼いて、ちょっと醤油をたらしたものが好きだったりw

 

植物としてはサトイモ科サトイモ属に分類され、タロイモの一種・タロイモの仲間とも呼ばれます。タロイモというとアジアやアフリカなど暖かい地域の方々がバナナの葉なんかで包み焼きにしている芋のイメージがありますが、実はタロイモ=サトイモ科の(食用)栽培種の総称だそう。タロイモ類という大きい括りの中に、サトイモも含まれているってことらしいです。

 

里芋はタロイモ類の中では最も北方で栽培されている品種で、かつタロイモには「親イモ」を食べる品種が多い中で「子イモ」だけを収穫して食べるものが多いのでちょっと特殊なポジションなのだとか。ただし里芋の品種にも小イモ系統ではなく親芋を食べる“たけのこいも”や親子兼用品種の“八つ頭”や“えび芋”などもあります。

 

里芋の起源はインドから東南アジア周辺と考えられています。日本に里芋が伝わったのは縄文後期、現在主食として食べられている稲よりも古いと考えられています。サツマイモやジャガイモは1600年前後に日本に伝わったとされていますから、日本での食用の歴史としては山芋(自然薯)と並んで古いと言えそうですね。里芋という名前も山に自然に生えている芋「山芋」に対して、里(人がいるところ)で作られている芋という事で命名されたそうです。

 

江戸時代までは一部地域を除き「イモ」と言えば里芋のことを指したとも言われていますから、和食の定番なのも納得かも。余談ですが「芋の子を洗う」という言い回しの“芋”も里芋のことだそうですよ。

現在はサツマイモやジャガイモがどちらかと言うとポピュラーで、里芋というと地味なイメージがある気がします。好きな食べ物を聞かれて「里芋」ってポロッと言ってしまうと良くて和食派?渋いね〜、というリアクションを受けるんではないでしょうか(苦笑)。ヌルヌルしていて下処理が面倒・手が痒くなるなどの問題もあり、家庭料理でも気合を入れたときしか使わないって方も少なくない気がします。

…食べるのは好きだけど私は嫌です←

 

ちなみ一般的には同じく“イモ”と表現されますが、同じイモ類でも植物分類上はジャガイモ・サツマイモ・ヤマイモ・サトイモはそれぞれ全く離れた種です。サトイモはのイモ部分は茎の地下部分が肥大化したもの(球茎)で、塊根と呼ばれる肥大化した根=サツマイモなどと実は食べている部位が違うのだとか。ジャガイモは同じように茎部分が肥大化したものですが、wikipediaによると薄皮で包まれていない=塊茎と区分されているのだそう。

こうして考えると、イモはイモでも全く別物ですね。

 

里芋と言えば強壮?便秘対策?

ヌルヌル食材故か、里芋の栄養や期待できる効果として代表的(?)なのが滋養強壮に良い・便秘に良いということではないでしょうか。冷え性軽減については一旦置いておいて、まずはこの辺について考えてみたいと思います^^

 

◎胃腸のサポートについて

まず便秘ですが里芋100gあたりの食物繊維総称は2.3gとイモ類の中ではやや多いものの、皮付きのサツマイモにはちょっと劣るかなという微妙なポジション。ただし不溶性食物繊維が1.5gであるのに対し、水溶性食物繊維が0.8gと多く含まれているのが特徴とされています。

 

同じ食物繊維でも不溶性食物繊維は水を吸って膨らみ便の量を増やすことで腸を刺激する=蠕動運動を促す働きがあります。対して水溶性食物繊維の場合は水に溶けてゲル化することで便の硬さを丁度良く保つ・腸内善玉菌のエサとなることで腸内フローラのバランスを整えるなどの働きが期待されています。里芋のヌルヌル成分として紹介されるムチンやガラクタンも水溶性食物繊維の一種として扱われますから、水溶性食物繊維が多い里芋はお腹の調子を整える働きに優れていると考えられます。

 

サツマイモには緩下成分であるヤラピンが含まれていますから明瞭な比較とはなりませんが、サツマイモ(皮剥き)100gあたりの食物繊維が不溶性1.6g:水溶性0.6gであることを考えると水溶性食物繊維の比率が高いことが分かりますね。便秘の改善には不溶性2:水溶性1のバランスで食物繊維を摂取するのが理想的とされていますから、里芋は優れた食物繊維補給源と言えると思います。

 

また里芋に含まれているムチンは粘膜を保護・強化する働きがあり、胃腸粘膜の強化・胃壁の保護・傷ついた粘膜の修復などに役立つと考えられています。加えてムチンにはタンパク質分解酵素も含まれているため、消化のサポートとしても有効とされています。ムチンによる粘膜保護作用は水溶性食物繊維全体の働きと合わせて腸内フローラのバランスを良くしてくれる働きも期待できますから、里芋は便秘のときだけではなく消化不良や下痢の際のケア食としても使われています。

 

美めぐり習慣
◎滋養強壮について

里芋が滋養強壮に良いとされるのは、上記の胃腸機能をサポートしてくれる点も関係していると思われます。身体を整えようと色々なものを食べても、消化吸収がしっかりと行えないと十分な栄養を摂ることができません。ムチンは胃粘膜保護作用が期待されていることから弱ってしまった胃腸自体の改善にも里芋は適した食材とされていますし、定期的に摂る事で胃腸強壮に繋がるとする説もあります。

 

加えて里芋はイモなだけに炭水化物が豊富で、糖代謝に関わるビタミンB1もある程度含んでいる食材。タンパク質分解をサポートしてくれるムチンに加え、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6も多く含まれています。何らかの栄養素がずば抜けて多いという訳ではありませんが、その他のビタミン・ミネラル類も幅広く含まれています。

 

このため里芋はエネルギー補給にも優れた食材と考えられています。火を通した里芋は食感が柔らかく食べやすいこともあり、胃腸が弱い方や小さいお子さん・お年寄りの栄養補給サポートにも良いそう。タンパク質の吸収・代謝を高めてくれると考えられますから、筋肉を付けたい方などにも適しているかもしれません。

 

そしてもう一つ。

近年は水溶性食物繊維を豊富に含むことから免疫力向上効果も期待されています。体にある最も大きい免疫器官は腸管免疫であり、人体の全免疫システム全体の70%を腸が占めているとも言われています。腸内細菌そのものがが免疫力に関わっている可能性を示唆した報告も多く、腸内フローラのバランスを良く保つことは免疫力向上・維持に繋がると考えられています。風邪予防に善玉菌なんてCMもありますね。

 

加えてムチンは鼻や口など呼吸器粘膜の強化に役立つと考えられることから、粘膜強化によってウイルスの侵入を防ぐ働きも期待されています。消化吸収をサポートすることで体力が高まることも、免疫力を整えて風邪などを予防することに繋がります。ただし里芋はビタミン類の含有量はあまり高くないですし、βカロテン(ビタミンA)は含まれていないので風邪・インフルエンザ予防を心がける場合は緑黄色野菜と組み合わせるのがオススメです。

 

冷え性ケアほか期待できる効果

なんとなくほっこりした印象があり、冷え性に良いとされるイモ類であることから冷え性の方にも良い気がする里芋。東洋医学的な考え方では基本的には地中に出来るものは陽性(身体を温める)と考えられていますが、イモ類の全てが陽性食品かというと微妙なところのよう。

 

イモ類をまとめて陽性にしている文献もありますが、山芋やジャガイモなどは体を冷やす食材に分類されているものもあります。また地中に出来ることに加えて色付きであるサツマイモを中性(体を冷やしもしないが温めもしない)食材に分類しているものもあったり。里芋も概ね体を温める陽性(温性)食材とされていますが、中性としているものもあります。

 

個人的には分類の基準がわからず、調べても文献によって違う分類をしていたりとカオスな印象なんですが…とりあえず身体を冷やす心配はない食材ではある模様。気になる方はきちんと加熱して味噌や生姜・唐辛子などと組み合わせると良いのではないでしょうか。

ちなみに栄養価・含有成分として見た場合は、特に身体を温める働きのある成分を多く含んでいるということは無さそう。

抗酸化作用を持つビタミンC・同じく抗酸化ビタミンであり末梢血管の血流を促すビタミンEなどが含まれててはいますが、どちらも際立って多いという訳ではありません。重点的に補給したいなら多分里芋よりも別の食材選ぶかなぁ…っていうレベルな気がします。

 

ミネラルも幅広く含んではいるものの、鉄分などはさほど多くありません。その中で冷え性軽減に良い・悪い両説あるカリウムが生100gあたり640mg(茹での場合は560mg)とかなり豊富に含まれていることが特徴的ではあります。カリウムはナトリウムとバランスを取り合うことで、血中ナトリウム濃度を保つために取り入れられていた水分の排出を促す働きがあるミネラル。この働きからむくみ改善効果が期待されています。冷え性場合は尿とともに“体温”を排出させることから良くない・余分な水分が減少することで身体に熱が行き渡りやすくなるという両方の見解があります。

 

間接的な働きとしては多糖類(水溶性食物繊維)のムチンは肝機能・腎機能の向上に役立つのではないかという説もあります。同じく肝臓や腎臓に存在し老廃物代謝に関わるミネラルのモリブデンも里芋には多く含まれています。肝臓や腎臓は有毒物質の解毒化や老廃物の排出などに関わる臓器のため、機能が高まることは身体が持つデトックス機能の向上に繋がると考えられます。便通の改善も期待出来る食材ですから、老廃物の排出が促される・腸内善玉菌が活発化することで代謝向上に繋がる可能性がありますね。

 

そのほか消化吸収を助けることで栄養がしっかりと摂れる=代謝低下を防いでくれることも期待できます。これらのことから里芋は胃弱・虚弱体質系の冷え性の方、溜め込み体質で老廃物によって代謝が落ちているタイプの冷え性の方に適した食材ではないかと考えられます。食べたそばからポカポカ〜ということは無いでしょうが、体のバランスを整えるのには良さそうですね。里芋単体の煮物も美味しいですが、レンコンニンジンなど他根菜類と組み合わせるとより効果的だそうです♪

 

ダイエットサポートにも

食物繊維や豊富なカリウムを含み便秘やむくみ軽減に効果が期待できること、ムチンやモリブデンなどが肝臓・腎臓機能をサポートしてくれると考えられることから、里芋はデトックスに役立つ食材とも考えられています。便秘やむくみが改善することで即時的なサイズダウンが期待できますし、デトックス力が高まること・腸内フローラのバランスが良くなることで余分なものを溜め込みにくい体質作りにも繋がるでしょう。

 

また里芋に豊富に含まれている水溶性食物繊維は水に溶けてゲル化する性質があるため、同時期に摂取したものを巻き込んで消化器官内の移動をゆっくりし、血糖値の急激な上昇を抑える働きも期待されています。血糖値が急激に上がるとインスリンが分泌され、血糖(血中のブドウ糖)を内臓や筋肉へと取り込ませようとします。しかしそれでも糖が余っている場合には糖を脂肪細胞に取り込む・糖を先にエネルギーにするため脂肪の分解を抑制するなど、必要ではあるけれどダイエット中としては嬉しくない働きも…。

 

このため肥満予防には血糖値の急変動を抑える(インスリンの過剰分泌を避ける)ようにすると良いと考えられています。里芋は血糖値の急激な上昇を抑える水溶性食物繊維を含む食材であり、芋と呼ばれるものの中では糖質量も少ない部類。お米と一緒にモリモリ食べた場合は抑制されるよりも炭水化物過多になる可能性もありますが、適度の摂取や主食のカサ増しとして使うことで肥満予防にも役立つと考えられます。

 

高血圧・動脈硬化予防に

里芋に含まれているガラクタンやグルコマンナンなどの水溶性食物繊維類は悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を低減させる働きもがあることも報告されています。悪玉と呼ばれるようにLDLコレステロールの数値が高いほど動脈硬化を引き起こしやすくなることが指摘されており、結果として心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすリスクが高まると考えられています。

 

このため里芋は動脈硬化予防に役立つと考えられています。加えて里芋にはナトリウム排出を促すことで血管・心臓への負担を軽減する働きが期待されるカリウムも多く含まれていますから、スムーズな血液循環を保持してくれる水溶性食物繊維類と合わせて高血圧予防にも効果が期待出来るでしょう。

 

肌荒れ予防にも期待

里芋はビタミンCやビタミンEを若干含む程度で、直接的に美肌に関係する栄養素はあまり含んでいません。しかし水溶性食物繊維の摂取によって腸内善玉菌が活発化することから、ビタミン合成の活発化・摂取した栄養素をしっかり吸収できるなどのメリットが考えられます。悪玉菌と呼ばれる部類の腸内細菌は有害物質や活性酸素を生み出す可能性も指摘されていますから、それを抑制することと合わせて肌荒れ予防や美肌保持効果が期待できるでしょう。

 

ムチンはタンパク質の吸収をサポートしてくれますので、コラーゲンの原料確保としても役立ちます。また細胞の活発化促進によるターンオーバー正常化・保水作用による乾燥肌予防効果などの効果も期待されている成分。涙の構成成分でもあるので、乾燥肌だけではなくドライアイの予防にも役立つのではないかと言われています。里芋の摂取だけで目に見えるような効果があるかは微妙なところですが、βカロテン(ビタミンA)を豊富に含む緑黄色野菜と組み合わせることで乾燥肌対策にも役立ってくれそうですね。

参照:【里芋】サトイモの栄養・効果

 

里芋に期待される健康効果を書いていたら無性に食べたくなってきましたw

ちなみに下処理時に手が痒くなるのはシュウ酸カルシウムが原因なので、手を酢水につけたり、塩をつけてから皮を剥くと良いんだとか。やってみようかなと思うけれど、痒くなったら絶対後悔してブチ切れるのが想像付くので自分で自分が怖いです…。

 

| 2018年02月24日 | 体温アップ食材 | trackbacks(0) |

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